AP2は打感や操作性などの性能と優しさのバランスが絶妙で、中〜上級者に非常に人気の高いモデルです。
今回は歴代の中で712が特に初心者にもおススメな理由、そして後継の714との違いも解説しています。
●特徴
まずAP2の大きな特徴はボックスキャビティ構造で、ミスヒットに寛容な上に中空内にあるウェイトのおかげで打ち込まなくてもボールが上がりやすくなっています。
ただある程度は打ち込まないとバックスピンがかかりませんが、優しさもあるのでその練習をしていくには最適でしょう。
一方でミスはミスでしっかり伝わるようになっていて、単なる楽ちんモデルにはなっていないところがタイトリストらしいです。
またバンスがPWで6度と日本メーカーのクラブに比べ多め確保されていて、実際の芝の上でラウンドした時にダフりのミスを助けてくれます。
練習場や試打ブースのマットの上では気付かない部分ですが、この辺りは実戦的な米メーカーの特徴でPINGに通ずるところがあります。
●形状
構えてみると若干グースがあるのがわかりますが、極端な初心者モデルのような違和感は無く、すっきりしていて非常に構えやすいです。
このグース=捕まりと構えやすさや操作性確保のバランスが素晴らしく、さすがタイトリストと言えるでしょう。
またデザインは硬派なメーカーらしくシックで装飾も最低限、サテン仕上げも道具感が強く性能重視な感じで潔さがあります。
●打感
打感はボックスキャビティとは思えない素晴らしさです。
もちろんCBやMBには及びませんが、その感触は十分楽しめるものです。
しかもバックキャビティの衝撃吸収材によってミスヒット時のしびれが抑えられています。
スイートスポットの広さや前述のミスヒット時の衝撃吸収を考えれば、それらを持ちつつの打感としては大変レベルが高いと言えるでしょう。
●方向性と操作性
少しグースがありますが打ってみるとそれほど捕まりが良い訳ではなく、フッカーの方でも意図せず左に行ってしまう心配は少ないでしょう。
反面スライス持ちの人は意識して捕まえに行かなければなりませんが、そこはAP2のポジションを考えれば当然ですし、捕まえる技術のステップアップにはちょうど良いと言えます。
また操作性は一般のアマチュアの方が欲しいレベルの操作性は十分にあるでしょう。
若干右に逃がしにくい気もしますが、これ以上を求めるならCBなどの上位機種を選ぶべきに思います。
●シャフト
純正シャフトではDGのS200とN.S.PRO 950GHが用意されています。
ヘッドスピード40〜42m/sならN.Sが妥当で、コントロール重視ならSフレックスですが、普段弾道が低いようなら品薄かもしれませんがRフレックスが合うでしょう。
ただHS40m/sでも体力に多少自信がありボールの上がりやすい方は、少し重めですがModusの120にチャレンジしてみても良いかもしれません。
DGほどハードではないですし、やはりこういったアスリートライクなクラブは重めなシャフトの方が、弾道が安定しターゲットをより狙いやすくなります。
●712と714の違い
後継機種の714との違いですが基本性能は大きくは変わっていませんが、若干712の方がヘッドが大きく優しくなっています。
価格のこともありますし、初心者の方がトライするなら712をおススメしたいですね。
それから714の方が6番から下が1度ずつロフトが立っていて、ストロングロフト化しており飛び性能が上がっているとのコメントを見かけます。
しかし1度ですから製品誤差や、アマチュアが毎回同じロフトで打てるかという精度を考えると、それほどシビアに考えなくて良い範囲でしょう。
また仕上げが712のサテンから714はミラーになりました。
確かにサテンは少し傷が目立ちますが、これは性能差ではないので完全に好みだと思います。
●総評
AP2 712は技術を向上させたい中級者の方や、楽しくプレーしたい上級者の方にぴったりのクラブです。
また向上心があれば初心者の方が手にしても全く問題なく、腕前が上がってもしばらくは使えるのでコストパフォーマンスが高いとも言えます。
さらにシンプルなデザインやポイントを絞った機能のおかげで古さを感じさせない不偏的な価値を持ち、しかも持つ喜びを兼ね備えた希有なクラブとなっています。
ぜひラウンドで、しっかり芯で捉えた時の満足感と、優しくミスを教えてくれるクラブとしての完成度を味わって下さい。
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