今回はタイトリストの初〜中級者向けアイアン、AP1の712を取り上げます。
初心者向けとは言え硬派なアスリート向けブランドのアイアンなので、他社のそれとは違いしっかり考えて作り込まれ、クラブとしての価値が高いものになっています。
果たしてそれはどんなものなのか?早速ご紹介しましょう。
●特徴
このクラブは大きく2つの特徴を持っています。
一つ目はタイトリストのアイアンでは最もミスヒットに強くなっている点です。
ボディ下半分がボックスキャビティになっていること、さらにバックフェース側にボディをAP1の文字を挟んで回り込ませ、トゥとヒール側にウェイトを配分して慣性モーメントを高めること、この2点によってミスヒットに強い構造にしてあります。
もう一つはボールの上がりやすさです。
前述のボックスキャビティ効果と、その内部にウェイトが埋め込まれていることによってボールを上げやすくなっています。
弾道は当たり前ですが上位クラブのAP2よりも1.5段階くらい高くなりますが、他メーカーの初心者向けにあるような不自然に感じるような高さではなく、本当の高さはこれくらいなのかも、と思わせるものです。
それが実際の芝の上から打っても発揮されるのが特筆すべきところでしょう。
●形状
タイトリストにしては大きめなヘッドですが、初心者もターゲットにしている他社のアイアンの中では小振りな方で、ある程度経験のあるゴルファーの方が構えてもぼってり感は少ないでしょう。
またグースネックですがギリギリ構えにくさを感じない範囲に留まっています。
ただしこの辺りは個人の感じ方が大きいので、購入を検討される場合は実際に店頭などで構えて確かめることをお勧めします。
このグースネックさえ気にならなければ、初心者もターゲットにしているアイアンの中では癖のない構えやすいアイアンと言えます。
●打感
打感は710から大きく進化しておりステンレスにしては柔らかい打感になっています。
キャビティの形状やバックフェース側の樹脂プレートなど、タイトリストの打感に対する努力には感心します。
ステンレス特有の軽さや中空構造故の弾き感は少し残っていますが、これ以上の打感をステンレスに望むのは酷でしょう。
●方向性と操作性
とにかく直進性の強いヘッドなのでミスに対する強さは抜群ですが、操作性は期待しない方が良いでしょう。
曲げようと思っても打ち出し方向にそのまま直進してしまう程ですが、直線的にミスなく攻めるためのアイアンなのでこれは当然と言えます。
また大きめヘッドで重心距離が長くヘッドが返りにくいため、グースがある割にオートマチックに捕まる訳ではなく、スライサーの方は注意が必要です。
逆にフッカーの方なら素直に打ってストレートから軽いドローといった球筋になので、イメージ通りに打ちやすいでしょう。
●シャフト
シャフトは軽量カーボンのROMBAX60と、スチールのN.S.PRO 950GHしかないのが非常に惜しいところです。
初心者だけに使わせるのはもったいないクラブですが、ヘッドスピードが42m/s以上のある程度パワーのある中級プレーヤーが使える重量帯が欲しいところです。
AP2と違いリシャフト品もあまり流通していません。
一方で40m/s前後の方にはNSがぴったりで、球数も豊富なので中古でも手頃に手に入れることができます。
●中級者がゴルフをエンジョイできる
AP1は初心者限定のアイアンではなく、優しくプレーしたい中級者にも使って頂きたいアイアンです。
とかく中級クラスの方は、レベルアップの為に少し操作性のあるフォージドなどを使いたくなると思います。
その挑み方は否定しませんが使いこなすには修練が必要で、実際のラウンドではミスも多くなかなか気持ちよくゴルフができません。
しかしこのAP1はミスに強くスコアが崩れない上に、打感も良く構えやすいのでゴルフを楽しむ事ができるクラブです。
スコアを出したい、あるいは気軽にプレーしたい時用に使ってみると良いのではないでしょうか。
●総評
タイトリストの中での位置づけは入門用かもしれませんが、そこはタイトリスト、形状や打感が上質で、シンプルに攻めたい方なら中級者の方でも十分に満足できるクラブです。
鍛錬用にAP2、エンジョイ用にAP1と2セット持ちで使い分けても、それぞれに活用できると思います。
入門用と侮らず、試しに一度試打してみることをお勧めします。
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