初代も絶品名器でしたが、この4代目2013年モデルも名器と評する声が非常に多い、キャロウェイの上級者向けフォージドアイアンです。
フィル・ミケルソン選手など契約プロが使用し、石川遼選手はNewモデルが出てもしばらく愛用されていましたね。
見た目からして難しそうなオーラが出ていますが実際はどうでしょうか?
●形状
小顔ですっきりしたフェース、無駄を削ぎ落としながらXをさり気なく配したバックフェースは非常にシャープで機能美さえ感じます。
構えてみると僅かにグースがありますが、出しゃばること無く違和感は全くありません。
またこのクラスにしてはトップブレードが少しだけ厚いですが、野暮ったさは無くスイングに集中しやすい形状です。
上級者向けでありながら他社のマッスルバックやミズノのMPのようなシビアさまでは感じさせず、非常に程よいバランスの形だと思います。
●打感
このアイアンの最も素晴らしい部分がこの打感ではないでしょうか。
真芯で捉えると非常に柔らかく、それでいて分厚い感触が手に伝わってきます。
いつまでも打っていたくなる打感で、こういったクラブで練習すると上達が早いと言われるのがわかる気がします。
一方で芯を外せばミスが手に伝わるフォージドらしさもありますから、一打ごとに自分のスイングを確認しながらステップアップしたい中級者には良き先生となるでしょう。
●方向性と操作性
弾道はこのクラスのアイアンにしてはボールが上がりやすく、高めの中弾道と言ったところでしょうか。
セミグースなので初めは右へ逃がしにくいかな?と思いましたがそんなことは無く、上級者が求めるクラスの操作性は十分に備わっています。
またフッカーの方でも気持ちドロー気味ということをわかっていれば、扱いにくいという事は無いでしょう。
ただシビアすぎて手に負えない程ではありませんが、スイングには素直に反応しますのでミスれば思わぬボールが飛び出します。
打感もそうですがミスはミスとして教えてくれるので、中級者には使いこなし甲斐があるアイアンではないでしょうか。
●シャフト
標準スチールシャフトはダイナミックゴールド(DG)のS200とキャロウェイオリジナルのMemphis(メンフィス)10(M10)、それからN.S.PRO 950GH(NS)というラインナップです。
ヘッドスピードが45m/s以上の方はDG、42〜45m/sはM10、40m/s前後の方はNSという棲み分けになると思いますが、やはりM10という他社だと標準シャフトでは抜け落ちている重量帯があるのはメリットでしょう。
M10はダブルキックなのでシャフトが走ってくれる為、NSほどではありませんがボールをしっかり上げてくれます。
多少ヘッドスピードが遅めでも、試してみると意外に合う方はいるかもしれません。
しかしスイングの切り返しが早いとボールがバラけてしまう可能性があり、ゆったり振るタイプの方がその良さを活かせると思います。
このXフォージドの素晴らしい打感、柔らかさの中にある重厚さという最も美味しい部分を味合うにはDGが適していますが、残念ながらヘッドスピード40m/sではオーバースペック。
実戦で使えることを考えると、HS40m/sならNSか力がある方でM10が妥当でしょう。
●ポイント
見た目は上級者向けに見えるアイアンですが実は絶妙な優しさを持っています。
前述のグースネックにより僅かですが捕まりを手助けしてくれますし、ソールが縦方向にラウンド=丸みを帯びているので様々なライでの抜けの良さも持っています。
またヘッドの大きさの割にミスにも寛容で、特にフェース下部に打点がずれてもボールはそこそこ上がってくれます。
さすがにスピンをきっちりかけるには打ち込む技術が必要ですが、見た目に反して難し過ぎないのはこのアイアンの立ち位置をよく表していると思います。
ミスはミスとして現れるけど実際のラウンドでは大怪我を防いでくれる、まさに中級者のスキルアップに最適と言える絶妙なバランスになっています。
●総評
アイアンとして無駄のない美しさを持ちながら操作性、打感にも優れ、完成度の高いまさに名器と言って良いクラブです。
上級者の方が楽しくプレーしたりスコアメイクをするにはもってこいですし、90を切り始めの中級者の方がスキルアップするための良き先生としてもぴったりです。
しかも所有感とフォージドの気持ちよさも満たしてくれる・・・
見かけたらぜひ一度手に取って打って頂きたい逸品です。
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