ミスをしても高弾道になりグリーンオーバーを防いでいくれる頼もしいアイアンです。
この弾道で操作性もあるという希少なクラブで実戦での結果にこだわるPINGらしい性能です。見た目もシャープになり長く付き合える魅力的なモデルと言えるでしょう。
試打クラブ スペック
ロフト:26° (7番)ライ角カラー:黒 シャフト:N.S.PRO 950 GH Sフレックス
重量:398g(推定値) 長さ:38inch(カタログ値)
●構えてみると
前作i25まではセミアスリートがターゲットの割にトップラインが厚めで、ちょっと野暮ったい印象を持つ方もいたと思います。
しかし今作はそのトップラインが薄めになり、併せてPINGのアイアンではおなじみのはっきりしたグース度合いが抑えめになったことで、ぐっとシャープな風貌になりました。
ただグースの度合いが減ってはいますがあくまでセミグースといったシェイプなので、ストレートなラインが好みの方はやはりグースが気になるかも知れません。
ヘッドサイズは小ぶりではありませんが決して大きすぎず、安心感とシャープさを兼ね備えた絶妙のバランス。
私の所有しているi20とほぼ同じサイズか、トップラインが薄めな分わずかに小さく見えます。
●打ってみると
打ってみるとこれはもうびっくりするくらいの高弾道。
ポケキャビなので当然とも言えますが、その中でも特に高く上げてくれるタイプで、普段弾道が低くてお悩みの方には非常に魅力的だと思います。
やはり高さが出ないと、スピンが効かせられるアスリートモデル以外はグリーンで止まりませんからね。
方向性はグースのおかげで程よく捕まってくれるため、若干ドロー気味でスライスのミスが多い方にはお勧めです。
その反面で中級者クラスのアマチュアが実戦の中で求められる操作性はあるため、気を抜くと右へ抜けてしまうこともあり最低限の緊張感は必要です。
ただ操作性が高過ぎるとスイングした通りにミスが出てしまう訳ですが、このiアイアンはミスが怪我につながらない程度の操作性に収まっており、これはiシリーズ最大の特徴でもあります。
●ミスへの寛容性は
ポケキャビということもありミスには非常に強いアイアンになっています。
特にフェース下部への打点のズレに寛容性が高く、ミスしてもしっかりボールが上がってくれます。
普段トップ気味のボールが多い方、ラウンド後半に疲れから体が起き上がってしまってのミスが多い方、などに大変お勧めです。
一方で左右のズレに関してはある程度の操作性があるため、初心者の方は若干シビアに感じるかもしれません。
ただこの点を難しいと捉えるか、ミスを教えてくれる=向上のしがいがある、と考えるか分かれるところです。
イージーにゴルフをエンジョイしたい方は、他のもっと寛容性の高いアイアンを検討しても良いでしょう。
●打感と音
打感はポケキャビらしい弾き感が強く爽快感のあるものです。
フォージドアイアンとはもちろん違いますが、この手のポケキャビアイアンとしては薄っぺらさを感じさせないのが、打感にもこだわるPINGらしいなと感じます。
打音はちょっと高めなピシッという音ですが、決して耳障りにならないのも好印象です。
●シャフト
この弾道の高さを見るとヘッドスピード40m/sならやはりN.S.PRO 950 GHがお勧めです。
ただ普段弾道が高い方は上がり過ぎになって距離をロスする可能性もあるので、純正で用意されているMODUS3 TOUR 105を選んでも良いでしょう。
N.Sに比べぐっとしっかり感は増しますが、ラウンド後半に疲れない体力に自信のある方なら弾道は安定するはずです。
●総評
非常に高い弾道がイージーに打てますので、普段弾道の低い方にお勧めです。
グリーンを捉えても低弾道でオーバーしてしまう方にとって、次打が難しい寄せなのかパットなのかは大違いなのがお解りだと思います。
そんな悩みをこのiアイアンはきっと手助けしてくれるでしょう。
特に芯を下目にずらしてしまい弾道が低くなっている方にメリットは大きいはずです。
またかなりの上級者になるまでは十分な操作性を備えているので、ミスを抑えつつコントロールすることを学べ、長く付き合えるアイアンである点にPINGのクラブに対するポリシーを感じます。
練習場や試打室のマットの上では感じにくいですが、ワイドソールやハイバウンスなど、あくまで実際のコースで優しく助けてくれる機能はしっかり継承されています。
この「クラブはスコアに貢献するためのもの」という、実用重視なPINGらしいアイアンをぜひコースで味わってみて下さい。
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