歴代モデルも人気のタイトリストのセミアスリート〜アスリートアイアン、AP2の初代を試打しました。
現在でも通用するなら中古価格が手頃なので、試してみたいという方も多いのでは?
後継モデルとの比較を中心に解説します。
試打クラブ スペック
ロフト:35°(7番) シャフト:DG S200
重量:444g 長さ:36.75inch (カタログ値)
●構えた印象
構えてみるとヘッドサイズは後継と変わらずの小顔で、シャープなルックスが好みの方には大変おススメです。
また構えたときの程よい緊張とアドレスがピタッと自然に決まる構え易さは、全く変わりません。
そのおかげでスイングにストレスが無く、ボールの方向や落とし所に集中できるAP2シリーズの素晴らしさは、この初代にしっかり原点があることがわかりました。
ネック形状は後継モデルよりグースが控えめ、というよりほぼストレートです。
以降のモデルも決して極端ではなく若干グースという程度なのですが、それでも違いがわかるほどに初代はストレートになっています。
わずかでもグースが無いほうがいい、という方にはこの初代はしっくりくる形状だと思います。
●試打開始
打ってみるとCBと比べ明らかにボールが上がりやすいモデルになっています。
この点はデュアルキャビティと呼んでいる構造が大きく貢献していて、他の純粋なハーフキャビティ、例えばX Forgedなどと比べても一段階レベルが優しくなっています。
一方でロフトがわずかに寝ていることもありますし、このクラスのモデルに飛距離を今ほど重視していない時代のものなので、飛びは明らかに後継モデルの方が優れています。
ただ逆に言えば高さでグリーンを捉えられるので、実戦性はむしろ優れていると言えるでしょう。
操作性は以降のモデルより明らかに高く、発売当時この初代は「優しいタイトリスト」と呼ばれていましたが、アマチュアが使うには十分です。
若干捕まりが良いようにも感じますが決して極端ではないので、スライサー、フッカーいずれの方でも違和感なく操作ができると思います。
ただしこの後のモデルになるとグースの強まりと共に捕まりも良くなっていくので、スライスが怖い方は後継モデルの方が安心できるでしょう。
●ミスへの寛容性は
高い操作性のおかげか優しさは後継の、例えば712の方が明らかに高くなっています。
ただしCBや他のハーフキャビティのフォージドアイアンと比べれば、この初代はボールは上がりやすく、スイートスポットの広い十分に寛容性のあるモデルです。
より優しいのは後継のモデルですが、寛容性を求めて他のアスリートアイアンから乗り換えるなら、初代でも十分と言えます。
一方で中級者からステップアップするには、もう少し優しさのある後継モデルがおススメです。
特に712はその優しさと操作性のバランスがステップアップ層に丁度よいと感じます。
ただしミスはミスとしてはっきり伝えてくれる方が良いという、練習熱心で向上心のある方なら、あえてこの初代を選んでも良いでしょう。
●打感と音
打感は残念ながら後継モデルが代を重ねるごとに良くなっていき、この初代は硬さと少しぼやけた複合素材らしさがあります。
打感を重視するなら後継モデルがお勧めで、特に714は非常に高いレベルの柔らかく気持ちの良い打感を備えています。
音は控えめで低めのシックな音ですが、あえて後継と比べれば少し硬さを感じるかもしれません。
ただ極端ではないので、特別なこだわりが無ければ音はそれほど心配する必要はないでしょう。
●シャフト
今回のシャフトはDGのS200で、後継モデルにも言えることですが、やはりAP2はDGが最もその特徴を生かしてくれると感じます。
自分の場合は自然に打ってほぼストレート、意図すれば左右の操作もしやすく、しかもボールに力があり風に負けません。
ただ練習場では良いのですが、やはりもっとヘッドスピードがあった方が、高弾道でグリーンにしっかり止められると思います。
さらにラウンドを通じてコントロールできる体力があるかも考えると、HS40m/sでは本番だと荷が重く、NSなど軽量シャフトの方がスコアに繋がると思います。
●総評
操作性と寛容性が高いレベルでバランスが取れた秀逸なモデルで、現在でも十分手にする価値のあるアイアンと言えます。
後継機種と比べると打感がもう一歩なのが残念ですが、それ以外はタイトリストらしいアイアンとしての高い完成度があり、末永く使えるモデルだと思います。
優しさは後継機種になるほどアップしていきますが、厳しく自分を鍛えるためミスをしっかり教えてくれる先生としては、この初代が一番適しているでしょう。
ステップアップを狙うアスリート志向の方なら、そのコストパフォーマンスも含めて、あえて選ぶのも十分ありな一本です。
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タイトリスト AP2 アイアン 2008