ぶっ飛びロースピンで有名になったテーラーメイドのフェアウェイウッドと同シリーズの2012年発売のドライバーです。
当時はFWが目立っていておまけなイメージがありましたが、実物は飛びの遺伝子を持った面白いモデルで話題になりました。
基本性が高くモデルバリエーションが多いので、適切なチョイスすれば中級者の方でも全く現役で使えます。
それでは解説したいと思います。
●特徴
エントリーモデルとしてはたまにある、長尺で飛ばそうという狙いのクラブです。
テーラーメイドのモデルではバーナーSuperfastやSuperfast2.0J Red、一代で終わったJetspeedなどが同じコンセプト。
そして低浅重心でロースピン高弾道による飛距離アップを狙っています。
特に実際に打つとその高弾道が目立ちます。
ここが合うかがポイントで、普段低弾道で飛距離をロスしている方には非常にマッチするドライバーです。
またFCT=脱着式の弾道調整機能、いわゆるカチャカチャを搭載しています。
●形状
テーラーメイドお得意の白ヘッドで大きく見える安心感を演出していますが、これは他の初〜中級者向けモデルと比べそれほど大きく見えません。
正面から見るとフェース高さもそこそこあり、極端なストレッチバックでもありません。
同時期のRシリーズのようなアスリートラインと比べればもちろん大きめなシルエットですが、後に同じターゲット狙いで発売されるエアロバーナーのような、ペタっとした平べったい感じはありません。
そのため白さえ気にならなければ構えやすい部類と言えるでしょう。
フェースはちょっと開き気味で、フックフェース=捕まり顔が苦手な方には、非常に構えやすいアングルになっています。
逆に捕まり顔に安心感を覚える人には、ちょっと苦手な顔に映るでしょう。
調整機能で調整も可能でしょうが、そうすると思い切り叩けるこのモデルの良さが薄まってしまいます。
そう考えるとやはりフッカー向けのモデルなのでしょう。
●打感
硬いです
少し弾き感はありますが鉄の塊で打っているような感触です。
ただテーラーメイドのクラブに良くある感触で、同社のウッド系を使い慣れている方にはおなじみの打感なのではないでしょうか。
以前に打ったロケットボールズのユーティリティもだいぶ硬い打感でしたが、それよりはわずかに柔らかさが感じられるかな?というくらい。
ただ決して安っぽい硬さではなくおとなしめでシックとも言える感触です。
一方で芯で捉えたときの感触がわかりにくいのですが、スイートスポットを広くするとこうなるのは仕方ない範囲で、他社の同じ位置づけのモデルと同様と言えます。
●方向性と操作性
方向性は明らかにフッカー向けです。
フェースがオープンで重心距離も長めなので、思い切り振りに行っても安心です。
というか振りにいかないとヘッドが返らないで右にスッポ抜けてしまいます。
長尺はゆったり振るか、ちょっと硬めのシャフトで思い切り振りに行くかですが、前者がシニア的な長尺の打ち方だとすれば後者はある程度体力のある方の長尺打法で、このドライバーは後者に向けたスペックになっています。
ですので振りに行った方がこのドライバーの飛距離性能を十分に発揮できるでしょう。
一方操作性はイマイチで弾道の打ち分けは厳しいと思います。
初級者もターゲットに入れているミスに強いモデルということを考えると、直進性との相殺で仕方の無いことと言えます。
近年はドライバーでコントロールしてコースを攻めるというのはプロでさえも避け、いかにミス無くプレーするかというシンプルゴルフの流れなので、一部の上級者を除いてミスへの寛容性の方がありがたい性能となるでしょう。
また調整機能はありますが、スライサーがストレートを打てるまで調整できるかはちょっと微妙です。
●シャフト
一般的なドライバーのシャフト長は以前は45〜45.5インチ、最近は45.5インチ前後が主流ですが、このロケットボールズは46インチ。
ですので長尺、あるいはプチ長尺と呼ばれる長さです。
長尺と言っても47インチクラスのシニア向けほどではありませんが、少し長めにして飛距離を出そうというコンセプトのクラブになっています。
そのため重量を軽めにして振りやすくしています。
シャフトは日本仕様がオリジナルシャフトのRB-50、US仕様がMatrix Ozik X-Con 5でいずれもシャフト重量が50グラム台です。
この長さで60グラム台にしてしまうと重さや抵抗を感じてヘッドスピードが出にくくなるため、50グラム台でも決して軽目ではありません。
硬さはトルクが日本仕様で4.5と柔らかめですが、実際に振ってみると数値よりしっかり感じます。
もう少し手応えが欲しい人はUS仕様を選ぶとトルクは同じですが、日本仕様より硬めのシャフトとなります。
このシャフト選択が中級者が使っていける一つの判断基準となりそうです。
●豊富なバリエーションだから自分に合ったものが選べる!
このモデルはUS仕様も含めバリエーションが数多く出ています。
US仕様やテーラーメイドお得意のTour仕様などあり、特徴やお勧めプレーヤーの対象が少し変わりますので、どんな方に合うのか違いを解説したいと思います。
購入の参考にして下さい。
●Rocket Ballz 日本仕様
重量294グラム 長さ46インチ
シャフト:RB-50 トルク4.5
今回解説しているモデルでSフレックスを基準にしています。
平均的な体力の方はまずはこちらを試してみるのがお勧めです。
●Rocket Ballz US
シャフト:Matrix Ozik X-Con 5
日本仕様と同じトルク4.5ですが、振ってみるとよりしっかりめのシャフトです。
重量はあまり変わらないので、日本仕様だとボールが上がりすぎるという方は良いでしょう。
●Rocket Ballz Fixed Hosel US
シャフト:Matrix Ozik X-Con 5
調整機能が省かれ価格が抑えられていたので中古もお得な価格になっています。
弾道の高さが合えばこちらでもオッケーでしょう。
打感が少し良いというかレスポンスがわかりやすい感触があります。
●Rocket Ballz TOUR
長さが45.25と長尺ではないのでこのモデル独特の個性は薄いと言えます。
ヘッド性能が気に入ったがノーマルではボールが上がりすぎる方はトライしても良いかも。
ただしシャフトはカスタムのみの設定で60グラム台からなので、ヘッドスピードが45m/s以上は欲しいところ。
またヘッドが返りにくいのは相変わらずなのでスライサーは厳禁です。
未見ですが以下のモデルも存在します。
●Rocket Ballz TOUR US
シャフト:Matrix Ozik X-Con 6 トルク3.8
●Rocket Ballz TOUR TP US
●総評
ロースピンで高弾道、しかも長尺なのでシャフトがマッチすれば非常に飛距離を期待できるドライバーです。
長尺と言ってもプチで極端ではないですから、すぐに慣れると思います。
初心者だけでなく弾道が低く飛距離をロスしている中級者にもお勧めです。
そこそこヒットもしたので球数が多めで手に入れやすいのもメリット。
しっかりモデルを見極めて飛距離アップをしましょう。
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