VG3はボールを拾いやすく楽に高弾道が打てるため、地面からローヘッドスピーダーが打てる現実的な3Wです。
しかも引き締まった顔で構えやすく、打感、音ともにソールに溝ありのクラブとしてはしっかり作り込まれ、タイトリストらしい質の高いクラブになっています。
試打クラブ スペック
ロフト:15° シャフト:Speeder 569 EVOLUTION Ⅱ
重量:300g 長さ:43inch (カタログ値)
●構えた印象
ヘッドは予想外にコンパクト、スタンダードなブラックカラーと相まって、引き締まった良い顔をしています。
後方はきれいな半円のシェイプになっており、同じタイトリストの915Fの方が後方への伸びを強く感じるほどです。
フェイスアングルもほぼストレートで構えやすく、ローヘッドスピーダー向けモデルであっても、クラブとしての完成度に妥協をしないタイトリストらしさが伝わってきます。
一方で持った瞬間に感じるクラブ重量の軽さは気を抜くと手打ちを招きそうで、十分にボディターンを意識したスイングが必要でしょう。
●試打開始
打ってみるととにかくボールが上がりやすい!
3Wでもソールの溝(アクティブリコイルチャンネル)のおかげでフェースの下目に当たってもボールが高く上がってくれるので、実戦でも地面から打てそうです。
弾道はドローが持ち球の私が打つとストレートから落ち際で若干左へ。
少し捕まりが良いようですが決して極端過ぎず、ひっかけの大怪我は出にくいでしょう。
スライサーの方にとっても右への逃げも抑えてくれそうですし、物足りなければShure Fitシステムで捕まりを上げることも可能です。
動きに癖がなく振った方向へ真っ直ぐ飛んでくれるため、フッカー、スライサーのどちらの方でも違和感なく打てるフェアウェイウッドになっています。
●ミスへの寛容性は?
芯は広めでボールの上がりやすさと同様のミスヒットに対する優しさがあります。
その分操作性は控えめですが、左右に散らばらないメリットの方が一般のアマチュアの方には恩恵が大きいはずです。
ただし何が何でも真っ直ぐ飛ばすというほどのイージーモデルではなく、お助け機能が強すぎて他のクラブに移れなくなってしまう、ということはありません。
このVG3で安定したスイングを覚えてから、915Fなど操作性のあるモデルへステップアップするのも良いでしょう。
●打感と音
打感は少し硬めですが溝ありクラブとしては硬過ぎず、重厚さもきちんと感じられて安っぽさはありません。
音も金属感がありますが決してキンキンした耳につくものではなく、鋭さがありながらシックな雰囲気も持つものです。
これらのおかげで他の飛距離追求型クラブとは明らかに違う「しっかりした造り」を感じられ、クラブを良く知った方でも十分に満足できる打感と音になっています。
●シャフト
今回のSpeeder 569 EVOLUTION II(Flex: S)は、とにかくタイミングがとりやすく素直な挙動のシャフトです。
先代のSpeeder EVOLUTIONのような先走りはかなり抑えられ、非常に安定した弾道になります。
その分ボールの上がりも抑えめになるところですが、ソールの溝のおかげで高さもしっかり出てくれます。
ただしトルクは4.2で標準シャフトのタイトリスト VGFの4.0より高いのですが、あくまでカスタムシャフトの4.2なので注意が必要です。
ヘッドスピード40m/s以下の方だと低弾道になる可能性が高く、タイトリスト VGFの方が安定した高弾道になるでしょう。
●総評
ヘッドスピード(HS)40m/s前後、特に40m/s以下で、普段弾道が低くて悩んでいるプレーヤーの方におススメのフェアウェイウッドです。
このソールの溝がボールを拾ってくれる貢献度は非常に大きく、ローヘッドスピーダーの方でも地面から十分に打てる3Wになっており、2打目の飛距離をしっかり稼いでくれます。
決して一発の飛びが期待できるFWではありませんが、安定して3Wが地面から打てる点とこの曲がりの少ない方向性がどれだけスコアに繋がるかは、経験豊富な方ほど十分おわかりのはずです。
涼しい顔で2打目を飛ばしてフェアウェイにきっちり落とす、そんなゴルフをわかった大人のプレーヤーが使うべきFWと言えるでしょう。
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