構えた時にこのフェアウェイウッドが名器と言われている理由がはっきりわかります。
この構え易さ、狙いやすさは他のFWにはない別格の完成度があり、しかも向上心があれば優しくフォローしてくれる寛容性も備えています。
試打クラブ スペック
ロフト:17° シャフト:Titleist Motore 5.5(日本仕様純正)Sフレックス
重量:42.5g 長さ:323inch (カタログ値)
●構えてみると
最近では珍しくなりつつある洋梨型ですが、非常に綺麗でバランスも良く、素直に構えやすい形状です。
大きさがやや小ぶりでシャープに感じられ、シャフトが若干短いこともあって野暮ったさは全くなく、ターゲットを狙いやすい、いや狙いたくなる形状です。
ロフトは4Wに相当しますが、このロフトでターゲットをピンポイントで狙うことを前提としているのは、さすがタイトリストだなと感じます。
試打や評価のレポートを見ているとネックの調整機能ソケットが太くて気になる、という意見があるようですが、これは完全にその人次第。
私は全く気にならず、むしろヘッドの見事なシェイプに目が行っていて、途中でそういった意見を思い出し「言われてみればそうかもしれない」と思った程度でした。
とにかうそういったネガティブな要素を忘れさせてくれるほど、構えやすく綺麗なヘッドになっています。
●打ってみると
打ってみると意外にボールは上がりやすく、ガチガチのアスリート向けではないことが伺えます。
超高弾道ではありませんがスピンもある程度入るため、この高さがあれば十分にグリーンで止めることができるでしょう。
ソールのウェイトの位置を見てもわかりますが、決して飛距離を追求するクラブではなくしっかり距離を刻み、スコアメイクをしようという意図が伺えます。
ただし操作性もしっかりあるモデルなので、この17°でグリーンの幅の中に落とすスイング精度は求められます。
当然ですがアバウトに打っても何とかそっちの方へ行ってくれる、というクラブではないので注意しましょう。
方向性はほぼストレート。
若干フェースがオープン目なので弾道が逃げ気味であれば、調整機能でアジャストできるでしょう。
●ミスへの寛容性は
ミスへの寛容性は想像していたよりは高くなっています。
ボールは上がりやすく下目に打点がずれても何とか上がってくれて、深重心になっているのがわかります。
ただグリーンで止めるための上がりやすさであり、あからさまなミスを何とかしてくれる寛容性ではありませんが、中級者からステップアップする過程の方が実戦で犯してしまう範囲のミスなら大怪我にならないようにフォローしてくれます。
向上心のある方ならそれほど身構えなくとも十分に使っていけるクラブだと思います。
●打感と音
打感は弾き感は少なく、かっちりした中にも柔らかさを感じる、FWとしては上質な打感です。
フェースに乗っている感触があるので操作性がしやすく、このモデルのユーザーのことを良く理解した打感に仕上がっています。
また音も中音でシックな、決して派手ではない控えめなもの。
タイトリストの新しいモデルでは、近年の流れである低スピンで飛距離を出すタイプになっているため、打感、音ともに硬めで弾き感が強くなっています。
そういった中でこの910Fの上品な打感や打音は貴重であり、ぜひ味わって頂きたいものになっています。
●シャフト
純正シャフトはクセがなく、しっかり目ですが重すぎないので、多少力のある方ならヘッドスピード40m/sにちょうど良いシャフトです。
普段からボールがきちんと上がる方なら方向性重視でSフレックスでも良いですし、低めの方はRがお勧めです。
とにかく非常に振りやすく、しかもHS40m/sには絶妙の59gの重量なので振り切ることが可能です。
ヘッドシェイプだけでなく、この軽めなのにしっかりした純正シャフトのおかげで、狙えるFWとなっていると言えるでしょう。
●総評
決して飛ばすFWではなく、距離も含めてグリーンを狙うFWであり、910Hと併せてタイトリストらしいクラブに仕上がっています。
とにかく構えただけで狙いたくなるそのシェイプというかオーラは、名器と呼ばれるのが良くわかりますし、近年のクラブには無い存在感と言えます。
決してイージーなモデルではありませんが、向上心があれば実戦の中でその絶妙な優しさを感じるはずです。
上級者を目指したい中級者の方、あるいは初心者を脱し一生懸命練習し向上し上達したい方に、ぜひ使って頂きたい”狙える”名器です。
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